研究課題/領域番号 |
12710233
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
国文学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
杉田 昌彦 静岡大学, 教育学部, 助教授 (50283320)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 本居宣長 / 源氏物語 / 本居文庫 / 百人一首 / 物のあはれ |
研究概要 |
本年度は、まず前年度に引き続き、宣長の『源氏物語』関係稿本についての調査・解析を行った。その結果、本居宣長記念館に現存する『源氏物語抜書』が、彼の源氏研究、特にその物語評論的研究の基礎的な部分において重大な役割を果たしていることなどを究明し得た。その成果については、平成十四年四月の鈴屋学会において、「本居宣長記念館蔵『源氏物語抜書』について」という研究発表を行う予定である。また手沢本『百人一首改観抄』などの一次資料についても調査・整理し、自筆書入などの形で残された宣長の学説の分析を試みた。その結果、書籍の形をとってまとめられたものの中に収められていない宣長の和歌や物語についての評論・注釈的言説を発見することができ、その書入説や抜書中の自説が、彼の学説形成の経緯を知る上で重要であることを解明するとともに、それら自体が宣長の学問の成果として固有の価値を有することなどをも、明らかにすることができた。以上のような、一次資料の調査をふまえた稿本や書入本の研究、歌論・物語論の研究、さらには注釈書における個々の語釈・注釈の情報処理を通じた文献学的特質の解明をふまえて、宣長にとってこうした古典文学の研究が彼自身の学問体系の中でどのような意義を持つものであったのかを明らかにするとともに、古典文学の歴史における宣長の歌学・物語学の位置や意義についても、その一端を究明することができたのである。平成十三年十二月刊の『本居宣長事典』の筆者担当項目等は、その成果を踏まえて記されたものである。また、旧本居文庫のカリフォルニア大学バークレー校所蔵分の蔵書目録(雄松堂出版より刊行予定)作成に向けて調査・情報処理を開始することができたことも、本年度の成果の一つであり、今後も完成に向けて研究を続けていくことを期するところである。
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