研究課題/領域番号 |
12710270
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
独語・独文学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
石原 あえか 慶應義塾大学, 商学部, 専任講師 (80317289)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 18・19世紀ドイツ文学 / ゲーテ / 天文学(気象学を含む) / 虹 / 望遠鏡 / 気球 / 18世紀ドイツ文学 / 文学モティーフとしての虹 / リヒテンベルク / 色彩論 / ニュートン光学 |
研究概要 |
まず昨年度の研究成果の一部をまとめたドイツ語論文 : Goethe und die Astronomie seiner Zeitが『国際ゲーテ年鑑』に掲載された。本論文は(1)月クレーター、(2)隕石、(3)彗星のモティーフに絞り、当時の天文学がゲーテの文学作品や自然科学論文にどのような影響を与えたのかを明らかにしたものである。ここで扱った内容については、枚数制限の都合上割愛した部分等を補足・発展させ、日本語論文「詩人の星空」として『日吉紀要』にも公表した。また昨年5月にヘルダー学会で行った口頭発表についても研究内容をまとめ、公表した(ドイツ語論文 : Goethe und der Regenbogen)。ここでは「虹」のモティーフを手がかりとして、ニュートン光学とゲーテの色彩論の根本的な差異を比較・検討した。 今年度は日本ゲーテ協会主催シンポジウムにおいて、視覚メディアとしての望遠鏡に注目し、研究発表を行った(2001年6月8日)。この発表をまとめたのがドイツ語論文 : "Fernrohre verwirren eigentlich den reinen Menschensinn"である。本論文では、まず17世紀初頭における望遠鏡の発明から天文学における常用化までの受容過程を歴史的に概観した。なかでも「新旧論争」およびドイツ啓蒙主義が信奉した多世界論「世界の複数性」は望遠鏡の受容に際して重要な役割を果たしたことを指摘した。これらの事実を踏まえたうえで、ゲーテ後期作品に登場する文学的モティーフ「望遠鏡」の果たす役割を分析・考察した。 望遠鏡は、肉眼で見えなかったものを見ることを可能にした。そして18世紀後半、気球の発明によって人類の「空を飛ぶ夢」がついに実現した。本研究の締めくくりとして、航空旅行の第一歩となった「気球」をとりあげ、気球の発明がゲーテおよび同時代の作家であるヴィーラント、リヒテンベルク、J.パウルにとってどのような衝撃を与え、またどんな意味を持ったのかを分析・考察した(ドイツ語論文 : Luftballon-Motiv und dichterische Phantasie)。
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