研究課題/領域番号 |
12730012
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済理論
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柴田 章久 京都大学, 経済研究所, 助教授 (00216003)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 経済成長 / 資本移動 / 技術・知識の国際間波及 / 財政政策 / 景気循環 / 金融市場 / 内生的景気循環 / 内生的成長 / 財政・金融政策 / 国際間波及効果 / 環境汚染 / クリーン開発メカニズム |
研究概要 |
本研究では、第1に、資本移動、技術・知識の国際間波及効果に着目した2国モデルを構築し、経済政策の効果について分析すること、第2に、金融市場の不完全性を明示的に取り入れた動学モデルを構築し、経済成長や景気循環において金融市場が果す役割を明らかすること、を目的とした。 第1の目的の予備的作業として、先ず、消費財と投資財部門からなる閉鎖経済二部門成長モデルを構築した。このモデルを用いて、投資財への政府支出の増大は、利子率を上昇させるが、消費財への政府支出増大は反対の効果を持つことを示した。この結果は、近年の実証研究で得られている結果と整合的なものである。さらに、このモデルを自由な財の貿易と国際間資本移動を伴う国モデルに拡張し、財政政策の国際間波及効果の分析を行った。その結果、各国における政策ショックが経済厚生に対して持つ効果は、(1)動学的利子率効果、(2)静学的交易条件効果、(3)生涯税額効果、の三つに分解できることが示された。また、技術・知識の国際間波及効果を分析するために、技術の国際間波及を伴う二国内生成長モデルを構築し、資本課税及ぼす効果についての分析を行った。その結果、技術の国際間波及によって、経済成長率は各国で収束するものの、GDPの水準自体は必ずしも収束せず、その格差は技術・知識の国際間波及の程度に依存することが明らかになった。 第2の目的に関しては、金融市場における悪質な借手の存在と貸出条件の関係に着目した動学モデルを構築した。このモデルにおいては、ある投資家がどのようなプロジェクトを選択するのかが、貸出市場の条件に依存しており、一方で借手の質は、彼らが以前にどのようなプロジェクトを選択したかに依存している。このため、借手の質、すなわち貸出条件とプロジェクトの選択は、互いに影響を与えることになる。この相互作用が持続的景気循環を生み出すことになる。
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