研究課題/領域番号 |
12730040
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
柴田 淳 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (50281267)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 流通 / スピード分業 / アパレル / Q.R. / 情報化 / SPA |
研究概要 |
本研究は、情報・流通の変化が生産システムに与える影響について、日本のアパレル産業を主な対象としてケーススタディーを試みたものである。アパレルは、アイテム数の多い商品である。SKU(Stock Keeping Unit)でみたとき、その数は減少傾向にあるとはいうものの、家電や化粒品などのほかの製品と比べると、群を抜いて高い水準にある。このため、構造的に需要が不安定で、しかも、事前にリスクを読むことが困難である。このリスクは、多段階分業体制のなかで、各段階で分散して負担されてきた。 情報化の進展は、こうした企業間で分有されてきた在庫や需要の情報を容易にシェアすることを可能にした。こうした動きは、中間流通であるアパレルメーカー主導で行われてきた。まず、アパレルメーカーにとって川下である販売部門については、消化仕入制度を導入することで、在庫リスクをすべて負担し、実質的な垂直統合を行った。こうした得られた販売データに基づいて、期中発注によるQ.R.(Quick Response)の仕組みを作りあげた企業が、いわゆる「勝ち組」となっていった。こうした企業は生産については、従来とおり、アウトソーシングの活用を行った。これまではわかりにくかった仕掛品の状況も、情報技術の活用によって、リアルタイムで把握することが可能になり、生産段階における効率化の進展もみられた。 こうした販売情報、生産情報の集約化により、特に、需要予測が困難なハイ・ファション分野で、「スピード分業」というビジネスモデルがみられる。上記の販売動向の把握とそれを反映したQ.R.の確立のため、生産のリードタイムの短い国内工場を活用する動きだ。これは、生産要素価格(アパレルの場合は賃金だが)による分業とは異なる、需要変動に対応したリードタイムの短さによる分業とみることができる。
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