研究課題/領域番号 |
12730055
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
大橋 和彦 一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 助教授 (50261780)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | MBS / プリペイメント / 生存時間分析 / 保険リスク / Esscher変換 / 天候デリバティブ / 証券化 / Security design / エッシャー変換 |
研究概要 |
住宅ローン債権証券化に関しては、生存時間分析を利用したプリペイメント関数の推定を行った後、特定のプリペイメント関数(Weibull型ベースライン関数を持つ比例ハザードモデル)及び金利過程(Vasicek型金利過程)の想定の下、パススルー型MBS(住宅ローン担保証券)の価格評価をモンテカルロ・シミュレーションによって行った。但し、利用可能なデータの制約から、推定においては借り手の属性に関する非時間依存共変量しか扱えなかった。一方、シミュレーションにおいては、金利等の時間依存共変量とプリペイメントの関係が利用可能であることを仮定した。両者の乖離を無くし分析を完結させるには時間依存共変量データの取得が必要だが、この問題は将来の研究課題として継続したい。 保険リスクの証券化に関しては、投資家の最適化行動と将来の不確実なペイオフの価値との一般的関係を導出した後、保険リスクの評価において伝統的なEsscher変換によるリスクの価値評価がCARA型と呼ばれる特定の効用関数を持つ投資家の最適化によるリスクの価値評価と同値であることを示し、そのような効用関数が含意する投資家の行動と実際の市場で観察される投資家の行動との違いを比較することで、Esscher変換によるリスクの価値評価を経済学的な視点から理論的に検討した。また、天候リスクの証券化(天候デリバティブ)については、天候データの取得と共に、非完備市場における価格決定問題として予備的な分析を行った。 これらに加え、証券化市場の拡大によって、必ずしもすべての投資家が均質な情報を持つわけではない様々なリスクが取引されるようになる中、証券化金融商品が取引されるために、発行される証券のペイオフの設計(Security design)として取引されるリスクに課される制約や条件についても考察を行った。
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