研究課題/領域番号 |
12730059
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
只友 景士 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (30303762)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 沖縄振興開発計画 / 北部振興策 / 公共事業依存経済 / 環境保全型経済 / 米軍基地 / 地域開発 / 沖縄の地域経済 / 内発的発展 / 沖縄振興開発政策 / ヤンバル / 公共事業 / 持続的発展 / 石油価格調整税 / 泡瀬干潟 |
研究概要 |
復帰後30年にわたり進められてきた沖縄振興開発計画にもかかわらず、沖縄経済は公共事業依存の脆弱な経済構造であること、自立的で内発的な発展を未だ実現できていないこと、振興開発のための公共事業が深刻な環境破壊をもたらしていることなどが明らかとなった。そして、現在の沖縄は、普天間飛行場の沖縄県内移設に関わる新たな基地問題に直面している。県内移設を進める日本政府は、沖縄振興開発政策とは別枠で、沖縄本島北部に限定した北部振興策を新設し、移設先とされる名護市の基地受け入れの環境づくりを進めている。沖縄経済が、公共事業依存経済であることのために、公共事業中心の北部振興政策は効果を発揮し、名護市と北部の自治体は、米軍基地の受け入れによる北部振興策を起爆剤に地域開発を進めようとしている。 しかし、この開発手法は、公共事業中心の沖縄振興開発計画が示した限界である開発手法そのものである。こうした開発政策では公共事業依存経済からの脱却ができず、持続的で内発的な発展を阻害し、沖縄経済の基地依存、公共事業依存の経済構造の固定化を進めるものと考えられる。環境保全型経済の創造とは逆方向の政策が展開されている。 沖縄の持続的で内発的発展を実現するための代替的な政策プランの研究を進めるために、モデルケースとしてオーストラリアにおける環境保全政策と地域経済政策の実態調査を行った。その結果、オーストラリア・モデルとも言うべき環境保全型経済の創造をめざす財政政策が展開されている。環境保全システムの確立と地域経済の構造転換をセットで進める政策が展開されている。従来の環境を犠牲にした開発手法とは異なり、環境保全を最優先の政策課題として、開発政策や自然環境の利用計画を作り直し、地域経済の環境保全型への構造転換を進めている。持続的で内発的発展をめざす地域政策のなかに、環境保全という社会的な価値評価を取り入れる意義も明らかとなった。
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