研究概要 |
有限群を基本群にもつ三次元多様体をデーン手術で生む結び目は、(1,1)-結び目ではないかと考え、その研究の際重要となるその結び目のunknotting tunnelについて研究を行った。そして次の結果を得た。 定理:KをS^3内の結び目とし、その組(S^3,K)が(1,1)-分解(V_1, V_2)と(2, 0)-分解(W_1, W_2)を持ったとする。このとき次のいずれかが成立する。 (1)(W_1, W_2)はmeridionally stabilized。 (2)W_1のspineはV_1, V_2の境界にisotopyでのせられる。 (3)W_1内のarcA_1とW_2内の本質的円盤D_2とで次の条件を満たすものが存在する:D_2が切り取るsolid torusをUとするとき、UとA_1の和集合の正則近傍の境界はV_1, V_2の境界とisotopyで一致させられる。 (4)(V_1, V_2)はsatellite diagram of a longitudinal slopeを許容する。 この帰結(4)に関しては、韓国のChoi博士の研究対象と一致することが判明したので、今後より詳しい解析が出来るのではないかと期待している。 一方、一般に、(1, 1)一結び目のunknotting tunnelには(1, 1)-tunnelとそうでないものが存在する。その判定方法について今までに知られている方法が十分でないことを示すことにも成功した。新しい判定法に関して結び目及びそのunknotting tunnelに関するthin positionという概念が利用出来ることを実験的に確認することが出来た。
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