円周上の点の配置空間に自然に定まる双曲構造について研究を行った.元の配置空間に適当な構造を付加することによって、その付加した構造を動かすことにより配置空間の双曲構造も変形しすることが以前の研究で分かっていた.特に現れる多様体(配置空間)の次元が2または3のときは、付加される構造の空間からTeichmuller空間および、character varietyへの写像が自然に定義されるが、この写像が大域的に単射であることを、本研究課題の研究代表者による研究および東京工業大学・小島定吉氏・九州大学・西晴子氏との共同研究で議論した。しかし上記の議論には、途中の部分に若干の誤りがあることが分かり、これらの修正を行った。これにより、あらためて、写像が大域的に単射であることを、研究協力者と共に示した。この研究成果は現在出版予定となっている。 また、大阪大学の作間誠氏、秋吉宏尚氏、奈良女子大学の和田昌昭氏らと、1点穴あきトーラス群から定まる多様体の双曲構造に関して、特にその標準的な多面体分割に関する議論をおこない、多面体分割を得るための方法として知られていた代表的な2種類の方法の比較を行うとともに、関連した話題について計算機による実験も行った。
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