研究課題/領域番号 |
12740052
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 久留米工業高等専門学校 |
研究代表者 |
中坊 滋一 久留米工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (80259960)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 代数絡み目 / 2橋結び目 / 仮想絡み目 / 量子不変量 / Vassiliev不変量 / 2橋絡み目 |
研究概要 |
量子不変量の情報からVassiliev不変量がどれくらい記述されるかという問題に対しては、いくつかの一般的なアプローチが知られている。本研究の主目的は、Vassiliev不変量の量子不変量による特徴づけを、代数絡み目と呼ばれる特別な絡み目の族に対して遂行することにある。これまでの研究で、代数絡み目の一種、2橋絡み目について、HOMFLY及びJones多項式と呼ばれる2つの代表的な量子不変量を明示的に表示する公式を与えた。また、HOMFLY多項式は2変数の多項式であるが、片方の変数に関する係数多項式の明示公式も与えることができた。これらの成果は、掲載済論文一本、掲載予定論文一本の中で発表している。現在これらの公式を、プレッツェル絡み目、Montesinous絡み目、そして一般の代数絡み目のクラスへと拡張すべく、研究を続けている。同時に、その他の量子不変量に対する同種の公式についても調査中であり、これらの準備をふまえて、代数絡み目のVassiliev不変量がなす空間の基底を明らかにしていく予定である。 昨年、Willertonは、14交点以下の既約な結び目について位数2と3のVassiliev不変量の間に面白い関係があることを見つけている。我々の結果を使うことにより、任意の交点数の2橋絡み目に対してこれと同様の関係を確認できる。また、本研究の進行と共に他の代数絡み目についても同様の現象が調査可能となる。さらに我々のアプローチからは、より高い位数の不変量間の関係を調査することが可能であり、興味深い課題として現在準備中である。 他方、本研究が一つの契機となって、大阪市立大学の佐藤進氏と鎌田直子氏との共同研究が始まり、仮想絡み目に対して定義されたJones多項式がある条件下で満たす新しいスケイン関係式(仮想交差点と実交差点の間の関係式)を発見することができた。仮想絡み目の理論は、コード図の概念を介することで、Vassiliev不変量の理論と密接な関わりを持っている。今後もこの関係を意識し、我々の研究を仮想結び目の範疇で議論することで、古典理論に新しい成果を与えるかどうか検討する事も重要な課題であると考えている。 以上の研究成果は、大韓民国及びドイツで開催された結び目理論の国際会議及び、国内の研究集会において発表済みである。
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