研究課題/領域番号 |
12740064
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
磯崎 泰樹 大阪大学, 大学院理学研究科, 助手 (90273573)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 国際研究者交流 / フランス / ブラウン運動 / 重複対数の法則 / ホワイトノイズ / バーガーズ方程式 / 完全非弾性衝突 / 真空中の拡散 / バーガース方程式 / ランダム初期値 / 保存則 |
研究概要 |
(1)一次元非粘性バーガース方程式に、ホワイトノイズの初期条件を正の半直線上で与え、負の半直線上にはマイナス無限大を与えた系を研究した。これは、真空に向かって放出・拡散する完全非弾性粒子のモデルになっている。本研究では、確率1で、無限遠方まで粒子が(たとえ少量であっても)到達していることと、距離に応じて到達粒子の総質量が減っていく様子が分かった。後者は、重複対数のオーダーで表すことができた。 この研究結果は、一次元ブラウン運動について広く知られたコルモゴロフの重複対数の法則の、一つの精密化になっている。時空間に於けるブラウン運動の軌跡、グラフ、の凸閉包は二つの関数のグラフを定める。これらをルジャンドル変換した関数について、本研究の結果は重複対数の法則を与えるのである。 非粘性バーガース方程式については、このほかにも、ブラウン運動の軌跡を初期条件として与えた場合の重複対数の法則を得た。確率過程論の見地からは、ブラウン運動の原始関数の振る舞いを調べたことに相当する。 (2)不均質な空間でのランダムな動きのモデルとして、疑似安定過程を案出した。これは、先行する研究を拡張して、安定過程だけでなく、ブラウン運動をも包含できるようにしたものである。均質な空間では、あるパラメータ領域で確率過程としての再帰性が破れているが、疑似安定過程では、そのパラメータ領域内でも空間の遠方で再帰的パラメータに近づく場合は、再規制を持つことがわかっている。疑似安定過程についての研究は始まったばかりで、得られている結果は少ないが、興味深い性質を持つと期待されている。
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