研究課題/領域番号 |
12740090
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森岡 達史 大阪大学, 大学院理学研究科, 助手 (80239631)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 弾性波 / 回折 / 特異性伝播 / Glancing領域 |
研究概要 |
周波数の高いS波の入射により起こる回折現象について、以下のような成果を得た。成果の内容を述べる前に、弾性波についておおまかに説明しておく。 ある種の物体に力を加えると変形するが、力を加えるのをやめるともとにもどる。このような性質を弾性という。弾性をもつ物体を弾性体とよぶ。弾性波とは、弾性体を伝わる波のことをいう。波の媒質のもとの状態からのずれを変位とよぶ。変位と進行方向とが互いに平行な波を縦波といい、垂直な波を横波という。弾性体が等方性をもつ場合、そこを伝わる弾性波は一般に縦波と横波の重合わせになっている。弾性波について、縦波はP波、横波はS波とよばれる。P波は速度の速い波、S波は速度の遅い波である。弾性波の場合、入射波がP波またはS波のみであっても、一般には反射波としてP波とS波の両方が現れる。このように、波の種類が変わる現象をModeの変換とよぶ。 等方性をもつ弾性体の内部に狭義凸な障害物が存在すると仮定する。障害物の境界上の一点を固定する。ある方向からこの点に周波数の高いS波が斜めに入射すると、Modeの変換により、P波が障害物に接する方向に現れて回折が起こる。さらに、障害物の境界を伝わる縦波にModeの変換が起こって、障害物の境界から弾性体の内部に向かって伝播する横波が現れる。障害物の境界を伝わる弾性波を単に表面波とよぶことにする。今の場合、回折により現れる表面波は、P波とS波の重合わせになっている。表面波について、以下のような結論をえた。 P波とS波のそれぞれは、弾性方程式の境界値問題の解のGevrey級特異性伝播により記述される。これらの波はともにGevrey指数3以上では滑らかである。
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