研究課題/領域番号 |
12740116
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
大域解析学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西畑 伸也 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (80279299)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ボルツマン方程式 / ブロードウェル・モデル / 進行波 / 漸近安定性 / 純拡散型境界条件 / 反射型境界条件 |
研究概要 |
離散的ボルツマン方程式は、気体分子の持ちうる速度が有限個であることを仮定しそれぞれあ分子の衝突を考慮して得られる、希薄な気体の運動を表現する方程式系である。当然、気体分子が障壁と衝突するなど境界含む設定下での数学的解析は、流体力学や航空工学等の応用面からも興味を待たれている。 本研究は、境界を持つ半空間上での同方程式系の進行波の漸近安定性についての解析を目的としている。昨年度と本年度にわたる研究によって次の事実が判明した。 まず、同方程式系の典型例であるブロードウェル方程式の半空間上での時間大域解の存在及び安定性の研究に取り組み、次の結果を得た。半空間上で同方程式に純拡散型境界条件を課し、正の速度を持つ進行波解に摂動を加えた関数を初期値とする時、時間大域解が一意的に存在して、その解は時間の経過とともに元の進行波に漸近収束する。つまり、境界に対して正の速度を持つ進行波解が漸近安定であることを証明した。以上の結果は、現在研究誌に投稿中である。 さらに、一般の離散型ボルツマン方程式方程式の反射型境界条件下での定常解(進行速度が零の進行波)に関する筆者らによる研究(不完全反射)を発展させ、完全反射を含む反射型境界条件下でも、定常解は一意に存在することを示した。また、キャバンのモデル等幾つかの具体的なモデル方程式に対しては、この定常解の安定性を証明した。しかし、一般の離散型ボルツマン方程式方程式の定常解の安定牲はまだ未解決であり、この点を改善した後に、以上の結果を出版する予定である。 今後も散型ボルツマン方程式の進行波の安定性を継続して研究するが、併せてもう一つの典型的な非線形波である希薄波の研究にも着手する予定である。
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