研究概要 |
本研究は地上に設置した粒子線検出器群(空気シャワーアレイ)からのシグナルであるガンマ線起源シャワーとバックグランドとなるハドロン起源シャワーの識別を目指し,さまざまな物理パラメタをモンテカルロ・シミュレーションなどを用いて,吟味を行った. 地上の粒子線検出器群での観測は,光チェレンコフ観測のようにシャワーの縦と横の発達を立体的に捕えることは困難であり,空気シャワーの縦発達のある断面を検出しているので,それほど多くの物理パラメタは見つからない. 本研究では結果として,地上で空気シャワー成分の荷電粒子を検出するだけでは,独立した物理パラメタによるガンマ線とハドロンシャワーの識別は非常に困難であることが分かってきた.そこで,電子成分の密度分布をイメージとして捕え,ガンマ線とハドロンの識別を試みた.特に今回はイメージ識別の方法として,ニューラル・ネットワークのアルゴリズムを採用した. 現在までにさまざまなニューラル・ネットワークの改良を行っている段階であるが,約10〜20%程度のハドロンシャワーを落とすことに成功しているが,ガンマ線シャワーの多くも落とすことが分かっており,実際の観測データに適応する段階には至っていない.しかしながら,イメージ識別に関しては可能性も高く,今後も検討を続ける予定である.
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