研究課題/領域番号 |
12740185
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
栗巣 普揮 山口大学, 工学部, 助手 (00253170)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 微小光共振器 / 半導体量子ドット / 励起子 / フォトニック結晶 / 励起子-光子相互作用 / 超放射現象 |
研究概要 |
本研究では、誘電体多層膜で構成される光反射鏡の間に半導体量子ドットを挿入した微小光共振器を作製し、自然放出光の増強・抑制など光制御に関する研究を行った。作製した微小光共振器は誘電体多層膜鏡として(λ/4)TiO_2/(λ/4)SiO_2を、光活性層として大きな電子-光子結合を持つCuCl量子ドットを用いた。 CuCl量子ドットを多層膜鏡が形成する光定在波の腹位置に配置した試料では、励起子及び励起子分子発光の増大が、光定在波の節位置に配置した試料では、こられ発光の抑制が観測された。また、多層膜鏡の層数を増大させると、発光の増大率が増大した。これらの結果は、誘電体多層膜による光閉じ込めにより電子-光子結合が増大させられることに起因しているものと考えられる。すなわち、量子ドットを光活性層とする微小光共振器において自然放出光が制御可能であることを見出した。 一方、微小光共振器中CuCl量子ドットの発光の放射角度依存性性を測定したところ、励起子発光と励起子分子発光で異なる依存性を示すことがわかった。励起子発光では、角度の増大とともに単調に減少するのに対し、励起子分子発光では、ある角度位置において発光が増大した。すなわち、励起子分子発光において明瞭な指向性が存在することを見出した。これは、共振器の共振モードがある特定の角度で励起子分子発光のエネルギー位置と一致したことによると考えられる。しかし、この場合、励起子発光においても指向性が現れるはずであるが、実験結果はそのようになっていない。したがって、この励起子発光と励起子分子発光の指向性の違いについては、励起子のコヒーレンスが関与している可能性が示唆される。本研究については今後、さらに詳細な実験や解析を行う必要がある。
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