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表面吸着種の動的過程における表面電子状態の役割の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12740187
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
研究機関横浜市立大学

研究代表者

木下 郁雄  横浜市立大学, 総合理学研究科, 助手 (60275021)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードナノグラフィン / 水素終端効果 / 3光子光電子分光 / σ^*電子状態 / π電子状態 / 表面電子状態 / 吸着種の動的過程 / Pd(111)
研究概要

ナノサイズの物質には固有の量子サイズ効果があり,固体中では得られない新しい電気的あるいは磁気的特性があり,近年,大きな関心が寄せられている。ナノグラファイトはナノサイズのグラフィン(グラファイト単一層)が積層してできているため,フラーレンやナノチューブと異なり,炭素原子の周端(Edge)構造があり,それら周端がこの物質の特異な電子特性と磁気特性をもたらす重要な役割を果たしている。この物質を生かした材料科学の発展のためには,ナノグラフィンの電子構造の詳細な知識を得ること,そして,その電子状態がどのように周端構造に支配されているかを明らかにすることが重要である。周端の領域で考えられる電子状態には,炭素間の結合におけるσ軌道とπ軌道に起因した2種類がある。ナノグラフィンリボンの理論計算では,周端に局在したπバンドが,この物質の電子スピンの新しい起源であることを示す。
ナノグラファイトの周端は他の原子に化学吸着され易い。したがって,周端の化学的な変化がナノグラフィンの電子構造にどの程度影響するか知ることは重要である。この情報は,この物質の新奇な特性の起源を探知するためだけではなく,この物質の化学的変化を制御するためにも有効である。本研究では,Pt(111)表面上に生成された60Å程度の平均直径のナノグラフィンの電子構造における重水素の終端効果における電子状態の変化を3光子電子分光および紫外光電子分光で測定した。その結果,ナノグラフィンの重水素による終端が2つのナノグラフィンの電子状態-σ^*電子状態とπ電子状態-にどのように影響するかを示した。ナノグラフィンはサイズが十分に大きいため,エネルギーと分散関係において,固体グラファイトと同様の性質を示しているが,2つの電子状態は重水素による終端に対し強く影響をうけることがわかった。特に,σ^*電子状態はπ電子状態に比べ,周端の化学的変化に非常に敏感であることがわかった。

報告書

(2件)
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2020-05-15  

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