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連続回転対称性を持つ液晶の電気対流系における時空カオス

研究課題

研究課題/領域番号 12740238
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 物性一般(含基礎論)
研究機関九州大学

研究代表者

日高 芳樹  九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70274511)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワード散逸構造 / ゴールドストーン・モード / 時空カオス / ソフトモード乱流 / 超臨界分岐 / ネマチック液晶 / 電気対流 / 電気流体力学的不安定性
研究概要

液晶は異方性をもつ流体であるため、分子配向を境界条件で制御することによって系の対称性を変えるることができる。本研究では、連続回転対称性が自発的に破れたホメオトロピック配向系の時空カオスの研究を、従来研究されてきたプレーナー系(連続回転対称性が強制的に破れた系)と比較しながら行った。ホメオトロピック系では、連続回転対称性の自発的破れに伴うゴールドストーン・モードが対流モードと相互作用を起こし、1回の超臨界分岐で静止安定状態から直接発生する「ソフトモード乱流(SMT)」を生じさせる。今回、画像解析の手法を用いて、SMTが局所的な周期パターンの波数ベクトルの向きに関する時空カオスであることを明らかにした。また、スナップショットで見ると、波数ベクトルの向きがそろった領域が多結晶のように集まったパッチ構造をしていることも明らかとなった。これまでに知られていた時空カオスは位相乱流や欠陥乱流であり、それとは異なる新しいタイプの時空カオスが発見されたことを意味する。
従来のプレーナー系の研究では、欠陥乱流を説明するためにギンツブルグ-ランダウ方程式に平均流効果を導入する仮説が提案されていた。しかしプレーナー系の欠陥乱流も、境界条件で抑制されたディレクタ回転自由度が重要な役割を果たしていることが予測される。本研究では、プレーナー系に磁場を印加することによって欠陥乱流の発生を抑制できることを示し、その予測の証明を行った。
以上のように、液晶電気対流系はディレクタ回転モードと対流モードの結合系であり、場の対称性と結合の仕方により多様なパターン・現象が現れることが本研究で明らかとなった。しかし、場の対称性の違いにより現れる現象が大きく異なる原因は未解明である。最終的には、対称性に依存しない普遍ダイナミックスと対称性に依存する個別ダイナミックスとを明確に分類することが必要である。

報告書

(2件)
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Koyo TAMURA et al.: "Anomalous diffusion and Levy distribution of particle velocity in soft-mode turbulence in electroconvection"Physica A. (印刷中).

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Jong-Hoon HUH et al.: "Prewavy Pattern : A Director-modulation Structure in Nematic Liquid Crystals"Molecular Crystals and Liquid Crystals. vol.364. 111-122 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Jong-Hoon HUH et al.: "New Classification of Chevron in Electroconvection in Hometropically-Aligned Nematics"Molecular Crystals and Liquid Crystals. vol.366. 833-840 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Koyo TAMURA et al.: "Nonlinear Transport and Anomalous Brownian Motion in Soft-Mode Turbulence"Journal of the Physical Society of Japan. vol.70, no.10. 2805-2808 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] J.-H.Huh et al.: "Prewavy Pattern : A Director-modulation Structure in Nematie Liquid Crystals"Molecular Crystals and Liquid Crystals. (in press).

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 日高芳樹 他: "液晶におけるパターン形成-現状と将来-"液晶(日本液晶学会誌). 第4巻3号. 219-234 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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