研究概要 |
前年度は、ブラッグ格子構造をもつχ^<(3)>非線形光学媒質における波動現象の解析を行った。引き続き本年度はχ^<(2)>媒質に対して焦点当てて、次のようなモデル方程式を提出した。 i((∂)/(∂t)+υ_g(∂)/(∂z))E_++κE_+(A|E_+|^2+B|E_-^2+CE^<(0,0)>)E_+=0, i((∂)/(∂t)-υ_g(∂)/(∂z))E_-+κ^*E_++(B|E_+|^2+A|E_-|^2+CE^<(0,0)>)E_-=0, ((∂^2)/(∂z^2)-(1)/(υ^2_0)(∂^2)/(∂t^2))E^<(0,0)>+D(∂^2/∂t^2)(|E_+|^2+|E_-|^2)=0, ここで、E_+とE_-はそれぞれ、進行波、ブラッグ反射波の包絡線を表しており、E^<(0,0)>はゼロ波長モードの振幅である。υ_g, υ_0はそれぞれブラッグ波数、ゼロ波数における平均群速度であり、κ, A, Bは全て定数である。注意すべきことは、従来からの2次の共鳴領域ではゼロ波長モードは無視することができたが、ここで解析した非共鳴領域においてはこのDCモードが独立成分としてE^<(0,0)>モデル方程式に現れることである。 このような2次の非線形で励起されたDCモードを「光整流効果」言う。上記モデルは厳密解としてギャップソリトン解を持つことがわかった。これよりソリトンの速さ増すほどDCモードも振幅増加することが示された。直感的には、DCモードが直流的な作用としてブラッグモードに働きかけ、全体としての一方向のに光を伝播させている、と理解することができる。
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