研究課題/領域番号 |
12740300
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
山口 亮 国立極地研究所, 南極隕石研究センター, 助手 (70321560)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 玄武岩質隕石 / 熱史 / 年代学 / 火山活動 / 熱変成作用 / ユークライト / 衝撃変成作用 / 鉱物学 |
研究概要 |
本研究の主な実績は以下の3点である。 (1)基本的な鉱物組成や岩石組織が普通ユークライト(玄武岩質隕石)に類似するにもかかわらず、これまで知られている同種の隕石と酸素同位体組成の異なる隕石(NWA011)に対して、鉱物学的・地球化学的研究を行った。NWA011は、ある種のユークライト(例えば、EET90020)と非常に類似した鉱物組成や地球化学的特徴を持つことがわかった。これから、NWA011の母天体は、普通ユークライトの母天体(小惑星Vesta)と類似の形成史を経た可能性があることを明らかにした。 (2)超高温変成作用を受けたユークライトEET90020に関する、鉱物学的・年代学的研究の最終結果を出した。超高温変成作用は、45.0億年前に起こった可能性が高いことを明らかにした。これは、45.6億年前の形成後、6千万年もの間母天体地殻が熱かったことを示す。この超高温変成作用は、高温(〜800℃)での衝撃圧縮回収実験の結果から、熱変成作用中に起こった衝撃変成作用が原因であると考えらえる。 (3)非常に強い衝撃を受けたユークライト(Padvarninkai)中のジルコンの鉱物学的記載およびイオンプローブ(SHRIMP II)によるウラン鉛年代決定を行った。高温(>1500℃)にさらされたと考えられる衝撃溶融物中のジルコンの年代は撹乱されていないが、比較的低温で破砕を受けたイルメナイト中のジルコンの年代は撹乱されていることがわかった。 以上の研究から、熱変成作用や衝撃変成作用は、ある種の条件で、放射年代や鉱物組成、領域での全岩組成に対して大きな影響を与える可能性があることが明らかになった。
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