研究課題/領域番号 |
12740306
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地球化学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松本 拓也 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50294145)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 地球化学 / 同位体 / 希ガス / マントル / 物質循環 / コマチアイト / 超塩基性岩 / ヘリウム / ネオン / アルゴン |
研究概要 |
地球深部マントル起源物質の極微量希ガス同位体組成を用いて、地球層構造の形成史や、全地球的な物質循環過程を探ることを目的とした。本研究では特に、プレートの沈み込みに伴う物質分化や、地球形成初期の同位体情報を得ることを主眼とした。プレート沈み込み帯に関しては、北海道ホロマン地域の超塩基性岩の希ガス同位体測定を行い、プレートとともに深部に持ち込まれる地球大気成分がマントルに存在することを初めて明らかにした。また、このような過程で運び込まれた地球表層の揮発成分が大陸下のマントルにも保持されていることを、希ガスと窒素の同位体組成測定結果を元に示した。これらは、同位体組成を用いた地球分化史再構築の研究に新たな制約条件を与える観測として非常に意義深いものである。また、ヘリウム同位体の進化モデルを計算機実験により構築し発表した。数値モデルとの整合性を探るために太古代のコマチアイトの同位体測程も行い、27億年前のマントルに、ある種の隕石に報告されるような非常に始原性の高いヘリウムが存在することを明らかにした。これらの結果は国際誌に4編の原著論文として発表済みである。加えて、プレート沈み込み帯の全地球的物質循環への役割をさらに明らかにするために、近畿地方各地の温泉ガス試料の採取と同位体および主成分測定を行った。沈み込み帯での温泉ガス組成は非常に深部(マントル)からのガスの供給過程と浅所の地質の両者に関連することがわかった。現在、これらガス試料の研究結果に関して発表準備中である。
|