研究課題/領域番号 |
12740339
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐藤 総一 筑波大学, 化学系, 講師 (90280908)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | カルコゲナジカチオン / オキシスルフラン / Kapovitsタイプ / 速度論的安定化 / 光学活性 / テルラン / 1,1′-ビナフチル基 / 三方両錐形 / Pseudorotation / ジアスレテオマー / 超電子価化合物 |
研究概要 |
我々が新たに開発した、高効率ヘキサアリールパーテルランの合成法を用いて、まずトリス(2,2'-ビフェニリレン)パーテルラン1を合成した。このテルラン中心原子のテルル上に6配位、2座配位子を3つ持つため、Δ,Λの光学異性体のラセミ体として存在している。これを光学活性カラムにて分割し、それぞれの性質を旋光計、CDスペクトル、UVスペクトルにて観測した。超原子価化合物としては、初めて中心原子上に不斉源を持つ化合物の単離例となり、さらには、今まで理論計算の結果からのみ否定されてきた、3組の3中心4電子結合に関与するd軌道の度合いが、CDスペクトルのd-d^*遷移の吸収の有無にて、初めて実験的に明らかになった。 炭素リガンドのみならず、他の元素が直接中心原子に配位したカルコゲナジカチオン種の合成を試みた。利用する超原子価化合物はKapovitsタイプのジオキシカルコゲヌランで、この化合物群を一旦酸化してオキシスルフランとし、その後トリフルオロメタンスルホン酸無水物にて脱酸素反応を行うことによって、対応するカルコゲナジカチオンの創製を試みる。このタイプのオキシスルフラン、カルコゲナジカチオンの報告はなく、新規化合物となる。また非対称型のリガンド、または酸素原子をリガンドとして持つため、反応性についても従来のものと全く異なった挙動が期待できる。また得られたジカチオン種の安定化を図るため、ベンゼン環の6位に嵩高い置換基を導入し、速度論的安定化を試みた。
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