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単核非ヘム鉄酵素モデル系における高原子価酸化活性種の生成とその性質

研究課題

研究課題/領域番号 12740368
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 無機化学
研究機関名古屋工業大学 (2001)
岡崎国立共同研究機構 (2000)

研究代表者

舩橋 靖博  名古屋工業大学, 工学部, 助手 (00321604)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード単核非ヘム鉄酵素 / 金属-ハイドロパーオキソ種 / 非共有結合性相互作用 / N-デアルキレーション / 酸素移行反応 / 非ヘム鉄酵素モデル / 嵩高いsalen誘導体 / 鉄(III)錯体 / Protocatechuate3,4-Dioxygenase / Fe(III)ジカチオンラジカル種
研究概要

例えば単核非ヘム鉄酵素であるドーパミンβ-ハイドロキシラーゼは単核銅イオンを活性中心に有し、分子状酸素を利用してドーパミンのβ位の水酸化を触媒する金属含有タンパク質である。そのような酸素添加反応において重要な活性酸素中間体として、金属に結合したハイドロパーオキソ種が挙げられる。金属-ハイドロパーオキソ種の検討は、酵素反応のみならず種々の低分子量モデル錯体を用いた系についても活発に行われている。しかし、金属-ハイドロパーオキソ種の反応性の完全な制御には至っていない。本研究室においては各種の非共有結合性相互作用を有する三脚型ポリピリジン配位子BPPA(bis(6-pivalamido-2-pyridylmethyl)(2-pyridylmethyl)amine)を用いて、捕捉の困難な単核銅-ハイドロパーオキソ錯体の単離に成功し、その分光学的・物理学的性質を明らかにした。この錯体は、配位子のピリジン6位に導入したピバルアミド基のアミドNHと銅に配位したハイドロパーオキソ種の結合酸素原子Oとの水素結合が熱的安定性に寄与し、室温においても安定に生成する。そこで本研究では、一旦生成した銅-ハイドロパーオキソ種を活性化して酸素添加反応に供与するために、水素結合の位置特異性の制御を試みた。その結果について以下に述べる。
今回、BPPA配位子のハイドロパーオキソ種の結合酸素原子O(近位酸素原子)への水素結合を形成するピバルアミド基のかわりに、遠位酸素原子に水素結合できる部位を導入した新規配位子Ll(N'-methyl-N"-pivalamidoethyl-N,N-bis(pyridylmethyl)aminoethylamine)を設計し、過塩素酸銅との反応により錯体([Cu(Ll)](ClO_4)_2,を得た。この錯体はMeCN溶媒中-40℃条件下において、2当量のトリエチルアミンと10当量の過酸化水素を添加することにより、吸収スペクトルにおいて381nm(ε=1000M^<-1>cm^<-1>)にハイドロパーオキソイオンから銅へのLMCTと考えられるピークが観測され、単核銅-ハイドロパーオキソ錯体を形成することが示された。この単核銅-ハイドロパーオキソ錯体の溶液を室温まで昇温すると、LMCT由来の吸収は消失したため、パーオキソ錯体は分解したと考えられる。このパーオキソ錯体の熱分解による生成物をESI-massスペクトルにより追跡したところ、m/z=445,431,318,459にそれぞれ銅錯体由来のピークを観測した。これらは、配位子の脱メチル化により生成した銅錯体、脱アルキル化した銅錯体、一部が酸化された銅錯体にそれぞれ対応することから、配位子LlにおけるN-デアルキレーションおよび酸素移行反応が生じたものと推定できる。

報告書

(2件)
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] H.Arii, Y.Funahashi, K.Jitsukawa, H.Masuda: "Characterization of diiron-peroxo complxes with asymmetric polypyridine ligands"Joumal of Inorganic Biochemistry. 86. 128-128 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Funahashi, M.Kishida, K.Nakaya, S.Hirota, O.Yamauchi, K.Jitsukawa, H.Masuda: "Introduction of tetrahedral distortion to copper complexes by using(-)-sparteine and its effect on the oxygen adduct formation"Joumal of Inorganic Biochemistry. 86. 224-224 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] A.Odani, K.Kimura, Y.Funahashi, O Yamauchi: "Coppr(II)-tetrahydropterin interactions.Complex formation and oxygen activation in aqueous solution"Joumal of Inorganic Biochemistry. 86. 362-362 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Funahashi,K.Nakaya,S.Hirota,and O.Yamauchi: "Tetrahedral Distortion of Copper (II) Complexes and the Oxygen-Adduct Complex Due to Coordination of (-)-Sparteine"Chem.Lett.. 1172-1173 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 舩橋靖博: "生体内での鉄(III)モノニトロシル錯体の発見とそのモデル的展開"化学と工業. 53-4. 514-514 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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