研究課題/領域番号 |
12740391
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
阪元 洋一 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (80321602)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 有機EL素子 / 有機電界効果トランジスター / 電子輸送材料 / 有機n型半導体 / 全フッ素置換オリゴチオフェン / 全フッ素置換フェニレン化合物 / 全フッ素置換芳香族化合物 |
研究概要 |
我々は、高い性能を有する新規な電子輸送材料(有機n型半導体)の開発を目的とし、芳香環の水素をすべてフッ素化した全フッ素置換芳香族化合物を設計した。平成12年度には、種々の全フッ素置換フェニレン化合物を合成し、これらの化合物が有機EL素子の電子輸送材料として有効であることを見出した。平成13年度には、これらの化合物が電子輸送材料としてだけでなく、ホールブロッキング材料(特に燐光材料を用いた素子において)としても有効であることがわかり、今後の発展が期待される。また、有機EL素子とともに最近注目されている有機電界効果トランジスターにおいて、最も重要な材料の一つであるオリゴチオフェンの全フッ素置換体の合成に成功した。チオフェン環へのフッ素の導入は、ブロモチオフェンをリチオ化し、N-fluorobenzenesulfonimideと反応させることにより、効率良く行うことができた。合成したbuilding blocksをStilleまたはUllmann反応によりカップリングすることにより、全フッ素置換オリゴチオフェンを合成した。電気化学測定より、全フッ素置換オリゴチオフェンは、オリゴチオフェンよりも低いLUMOを持つことが明らかになった。一部の例外を除き、オリゴチオフェンはp型の半導体特性を示すが、全フッ素置換オリゴチオフェンはn型の半導体特性を示すことが期待される。今後は、これらの材料を用いた有機電界効果トランジスターを作製し、その性能を評価する予定である。また、得られた結果をもとに分子構造を最適化し、高い性能を有する有機n型半導体を見出し、実用化を目指したい。
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