研究課題/領域番号 |
12740395
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
|
研究機関 | (財)神奈川科学技術アカデミー |
研究代表者 |
山方 啓 (財)神奈川科学技術アカデミー, 極限表面反応プロジェクト, 研究員 (60321915)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 光触媒 / 二酸化チタン / 光励起キャリアー / 時間分解赤外分光法 / 電荷移動反応 / 水の分解反応 / メタノール酸化反応 / 反応メカニズム / バンド内遷移 |
研究概要 |
平成12年度の研究成果により、申請者は時間分解赤外分光法が紫外光照射により生成した二酸化チタン光触媒上の光励起電子の減衰過程を追跡できる有力な手法になることを報告した。本年度は、この時間分解赤外分光法を用いて、いくつかの光触媒反応について調べた。 プラチナを担持した二酸化チタン上での水の分解反応は、メタノール等の有機物を添加することで、水素生成活性が飛躍的に向上することが知られている。これは、メタノールが正孔を不可逆的に消費するためである。メタノールが正孔を消費する機構には、水酸基を経由するモデルと直接反応するモデルが提案されているが、いずれも、同様な中間体を経由して、同じ生成物を与えるので、これらを実験的に区別することは困難であった。この機構を明らかにするために、水とメタノール分子との正孔の反応速度を比較する実験を行った。 気相に水とメタノールの混合ガスを導入して、触媒に紫外光を照射すると、光照射直後(<50ns)の二酸化チタン上の光励起電子の数が、純粋な水を導入した場合に比べて著しく増加した。この結果は、本装置の時間分解能である50ナノ秒以内に正孔がメタノールにより効率よく消費され、その結果、再結合が阻害されたことを示唆している。また、メタノールの混合比を増加させると、その光励起電子の数はさらに増加することから、正孔の消費に水は直接関与していないことが示唆された。FTIRを用いて、定常状態における表面吸着種の変化を調べたところ、メタノール添加率の増加に伴い表面水酸基の数は減少し、メタノールのみの時には、ほぼ完全にメトキシ基と置換することが分かった。以上の結果から、正孔は水や表面水酸基を経由しないで、メタノールやメトキシ基と直接反応していることが分かった。
|