研究課題/領域番号 |
12740398
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質変換
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研究機関 | 秋田大学 (2001) 九州大学 (2000) |
研究代表者 |
遠藤 健 秋田大学, 工学資源学部, 講師 (70304730)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 有機金属錯体 / 多孔質有機固体 / 環境保全 / 分子間相互作用 / 触媒 / 吸着 / ネットワーク / 発散型 / 水素結合 / 金属配位結合 / カルボキシレート / ホスフィン |
研究概要 |
有機金属錯体を均一系触媒として用いる有機合成反応は必要不可欠なものとなっている。しかしながら、反応処理段階における廃液・触媒失活などが欠点としてあげられる。有機金属錯体にゼオライトのような不溶性・多孔性を付与することができれば、触媒と生成物との分離は飛躍的に簡素になり、廃液が少なくかつ触媒の再利用が可能な環境保全型プロセスの構築につながるであろう。本研究では、分子間相互作用のネットワーク化による多孔質有機固体の構築に着目した。1分子内に金属親和性の高い官能基(カルボキシル基、シアノ基、ホスフィン基、イソニトリル基)を多点的かつ発散型に有する有機配位子を合成した。金属イオンにより分子間の官能基を架橋し、不溶性で熱安定性が高い多孔質有機固体を得ることに成功した。カルボキシル基を有する配位子とランタニド金属イオンからなる有機固体は水やメタノールなどの小分子捕捉に適した空孔を持ち、精密分離剤として有用であることが明らかとなった。一方シアノ基を有する配位子と銀イオンからなる有機固体は、水との親和性が低い疎水性空孔を持ち、ベンゼンなどの炭化水素類を選択的に取り込むことが明らかとなった。さらに、ホスフィンを有する配位子とパラジウムイオンからなる不溶性有機固体は、水中においてエチレンの酸化反応の触媒となり、0価のパラジウムが凝集することなく、固体中に安定に保持されることが確認された。このように本研究では、種々の金属を含む安定な多孔質有機固体の構築に成功し、その吸着特性や反応性を明らかにした。
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