研究課題/領域番号 |
12740468
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
古屋 秀隆 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20314354)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 中生動物 / ニハイチュウ / 分類 / 系統 / 頭足類 / 宿主特異性 / 生活史 / 滴虫型幼生 / 系統関係 / 無脊椎動物 / 無性生殖 / 細胞系譜 |
研究概要 |
(1)ニハイチュウの分類 10種の頭足類(アオリイカ、ヒメコウイカ、シリヤケイカ、スナダコ、ヨツメダコ、ヒメイカ、ミミイカ、ハリイカ、シシイカ、スルメイカ)の腎臓を調べ、寄生するニハイチュウを検索した。その結果、3属16新種のニハイチュウを発見した。これらの種には宿主特異性がみられた。 (2)ニハイチュウの頭部形態の平行進化 ふつう1種の宿主あるいは1個体の宿主に複数種のニハイチュウが見られる。マダコには3種のニハイチュウがみられるが、共存するニハイチュウはそれぞれ腎臓の表面やくぼみに適応した特徴的な頭部形態を呈し、棲み分けしていることがわかった。ニハイチュウの頭部形態は大きく3つのタイプに分けられ、それぞれ異なる頭部形態をもつニハイチュウは同じ腎嚢内に棲み分け共存できるが、類似した頭部形態をもつニハイチュウは共存できないという傾向がみられた。このことから、形質置換や違った頭部形態をもつ種の新たな寄生などにより、頭部形態の相異なるニハイチュウが各種の宿主に寄生し、結果として頭足類の種間で、ニハイチュウの頭部形態が収敏したと考えられる。 (3)ニハイチュウの生活史の進化 ニハイチュウの生活史には無性生殖と有性生殖の2つのサイクルがみられる。このような複雑な生活史はどのように進化してきたか、またどのような生活史戦略をもつのか、ニハイチュウの一腹卵数や成体、幼生、卵のサイズなど生活史や繁殖に関わる諸形質間の相関関係を調べた。その結果、宿主のタコ類の背套長と滴虫型幼生の体長との間には正の相関がみられた。これは滴虫型幼生が旧宿主から新宿主へ侵入するプロセスで、宿主に特異的なサイズが間接的に滴虫型幼生のサイズを制限していると考えられる。また蠕虫型ステージのサイズは、宿主の頭足類の細尿管のサイズと関係していた。
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