研究課題/領域番号 |
12740476
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 (2001) 国立科学博物館 (2000) |
研究代表者 |
田中 法生 独立行政法人国立科学博物館, 筑波研究資料センター, 研究官 (10311143)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 海草 / スゲアマモ / 集団遺伝学 / 遺伝子交流 |
研究概要 |
1.各地域集団間の遺伝的類似度 すでに生育情報のある北海道の能取湖および青森県野辺地および、これまでに生育の報告がないサロマ湖で、生育を確認し採集した。今回、能取湖とサロマ湖の2集団を加えた計8集団について、RAPD解析を行い、各集団間の遺伝的距離を算出し、集団間の遣伝的類似度図を構築した。 その結果、北海道の2集団は遣伝的に類似度が高いことが示されたが、青森県の集団よりも、岩手県と北海道の集団のほうが遣伝的に類似度が高いことが示された。これは地理的な距離と遺伝的な距離は単純な相関関係にないことになる。これは、比較的近距離の岩手県の5集団の解析で得られた傾向と同様である。 本研究によって、集団間の地理的距離を問わず、スゲアマモの遺伝子交流には距離とは別の要因が大きく影響していることが明らかになった。 2.新しい遺伝子マーカーの検討 (1)trnL・FおよびmatKのシークエンス 各地域集団の1個体について、葉緑体DNA上のtrnL-F遺伝子間領域およびmatK遺伝子の塩基配列を決定し比較した。その結果、合計3カ所4塩基対で変異がみられ能取湖と野辺地が他の集団と異なる分岐群に入ることがわかった。変異の割合は非常に低く、より多くの変異を得られる部位を探す必要があるが、シークエンスによって、スゲアマモの分布域全体を包含するような広範囲な集団間の系統関係を推定するには有効であると評価した。 (2)マイクロサテライトの検出 別種のアマモについて開発されたマイクロサテライトマーカーを、スゲアマモの青森と岩手の2集団2個体について検出を試みた。その結果、4遺伝子座で変異が見られた。これから、集団間の解析にはマーカーとして利用できる可能性が高いと評価できた。
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