研究課題/領域番号 |
12740479
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類学(含生理人類学)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平崎 鋭矢 大阪大学, 人間科学研究科, 助手 (70252567)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 歩行 / 頭部運動 / 眼球運動 / 円周歩行 / Yaw回転 / 前庭反射 / 耳石 / 半規管 |
研究概要 |
歩行中には巧妙に調整された頭部と眼球運動の組合わせが視線の保持を助けると考えられている。この頭部と眼球の動きのうち矢状面内のものについては詳しく調べられているが、水平面および冠状面内の動きについては情報が極端に不足している。また、カーブを描く歩行時のデータは皆無に近い。そこで本研究では、直線および円周歩行中の眼球、頭部、および身体各部の動きを計測し、それらを量的に記述し特徴づけた。 平成13年度は、直線歩行中および円周歩行中の眼球の動きを計測した。被験者は昨年度と同じ成人9人であった。その結果、直線歩行中に眼球は頭部の回旋(Yaw回転)を代償するように水平方向に周期的な運動を示すことが明らかになった。ただし、矢状面内での場合と異なり視標距離による眼球運動の位相の逆転は見られなかった。これは頭部のHead fixation point(HFP)が垂直面内での場合に比べ被験者の近くにあったこと、およびHFPの位置が視標距離の影響を受け、近い視標ではHFPも近くなったことによる。垂直眼球運動においては、位相の逆転は主に耳石反射が優勢になることよって生じた。それが見られなかったことから、歩行中の水平眼球運動には耳石反射はほとんど関わらず、半器官眼反射が重要な役割を持つと考えられる。円周歩行中には視性眼振が生じることが明らかとなった。この眼振の緩徐相速度を頭部の角速度に加えると、速度はほぼゼロとなった。即ち視線は空間内で断続的に安定していたことが示された。また、眼球位置の平均は頭部位置のそれよりも円の内側を向いており、眼球運動の位相も頭部のものより進んでいることも明らかになった。昨年度の研究成果からは円周歩行中に頭部が予測的に進行方向に向くことが判明したが、眼球は頭部よりもさらに予測的に動くことが今年度の実験結果から示唆された。
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