研究課題/領域番号 |
12750013
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
鍋谷 暢一 山梨大学, 工学部, 助手 (30283196)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ZnSeO混晶 / 閃亜鉛鉱構造 / ホトルミネセンス / ボーイング / 活性酸素 / 相分離 |
研究概要 |
今年度の研究実績は以下のとおりである。 分子線エピタキシー法によりGaAs基板上にZnSeO混晶の成長を行った。O原料として、高周波(RF)プラズマにより活性化されたO原子を用いた。GaAs基板上にZnSe緩衝層を100nm成長し、その上にZnSeOを成長することにより、GaAs基板表面の酸化を防いだ。ZnとSeの供給量を一定とし、O流量を変化させることによりZnSeOの酸素組成を制御した。ZnSeO成長層の成長温度は300度であり、膜厚は600nmである。X線回折測定より求めたO組成はO流量にほぼ比例し、O流量0.00ccmから0.02ccmに対してO組成は0から2%であった。また成長中に観察した反射高速電子線回折の結果、成長層表面は原子レベルで平坦であり、GaAsやZnSeと同様のパターンを示し、またX線回折測定の結果からZnSeOの結晶構造は閃亜鉛鉱構造であることがわかった。ZnOはウルツ鉱構造の結晶構造を有するが、O組成を小さくし、基板として閃亜鉛鉱構造のGaAsを用いることでZnSeOの結晶構造も制御できた。 これらのZnSeOの光学特性を調べるためにホトルミネセンス測定を行った結果、すべての試料から励起子性の発光が確認できた。また室温においては自由励起子の発光が支配的であった。O組成を増加させても発光強度に大きな変化はない。励起ホトルミネセンス測定の結果、ZnSeOのバンドギャップはO組成の増加とともに減少し、ボーイングが生じていることが明らかになった。これらの結果から、ボーイングの量を表すボーイングパラメータは8.2eVと計算でき、ZnSeOの最小のバンドギャップはO組成が46.3%のとき約1eVと見積もられる。
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