研究課題/領域番号 |
12750027
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
後藤 康仁 京都大学, 工学研究科, 助手 (00225666)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 金 / サマリウム / 薄膜 / マグネトロンスパッタ法 / 組成 / 仕事関数 / 電子放出特性 / 雑音電力 / 合金 / 真空蒸着法 / ラザフォード後方散乱法 / 光電子分光法 |
研究概要 |
マグネトロンスパッタ法により、異なる組成を有する金サマリウム合金薄膜を形成し、その電子放出特性を超高真空中において調査した。薄膜の形成は平坦なシリコン基板及び、フォトリソグラフィを利用して形成した1024個のコーンを有するシリコンエミッタアレイの上に行った。測定は金球をコレクタとする二極管構造で電極間隔を1.5μmとして行った。まずはじめに、平坦な基板上に成膜した試料については、いずれの試料に対しても電界変換係数が等しいと仮定することにより、ファウラー・ノルドハイムプロットの傾きから仕事関数を評価した。その結果、金組成と仕事関数の関係とは若干異なり、サマリウムに微量の金が混入したもの、サマリウムと金がおよそ同量のもの、金に微量のサマリウムが混入したものについては見かけの仕事関数が低いと言う結果になった。電子放出の安定性については雑音電力で評価し、見かけの仕事関数が低いものほど安定であることが明らかとなった。表面形態を原子間力顕微鏡で観測したところ、一部の試料については比較的大きな凹凸が存在することが明らかとなった。薄膜の仕事関数と電子放出特性から見た仕事関数の差違はこのような凹凸に起因する可能性がある。続いてシリコンエミッタアレイの上に成膜した金サマリウム合金からの電子放出特性を測定し、具体的なデバイスに近い形状での素子においても、平坦な試料と比較しておおむね同様な傾向の結果が得られた。以上の結果は従来研究者らが行ってきた仕事関数と電子放出の安定性の関係と類似しており、合金においても仕事関数の低いものほど電子放出特性が安定であることが明らかとなった。
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