研究課題/領域番号 |
12750043
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
JABRI Khaled (KHALED JABRI) 豊田工大, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (50309001)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 2次光非線系性 / Ge-doped SiO_2 glass / 薄膜 / UV-poling / 欠陥 / 集積回路 |
研究概要 |
大容量の光情報を高速でやり取りするためには、光スイッチや変調器などの光デバイスが必須である。この光機能デバイスを実現するために高効率かつ長期安定性に優れている2次光非線形性を持つ新しい材料の開発が期待されている。 本研究では、紫外光ポーリング(紫外光照射+高電場印加)方法を用いて、Ge添加SiO_2ガラスにLiNbO_3などの結晶を越える2次光非線形性の発現およびそれの安定性を検討する目的とした。 試料作製するには高周波スパッタ法を用いている。種々のアルゴン・酸素導入雰囲気中で作製したGe添加SiO_2ガラス薄膜に紫外光ポーリング処理を施した結果、2次光非線形性を発現し、その大きさがスパッタ中の酸素流量に大きく依存することが明らかになった。酸素とアルゴンの流量比が1対3(cm^3/min)で最適な2次光非線形性の大きさが得られる。発現する2次光非線形性は薄膜中のGe濃度に依存し、50モル%のGe濃度で最大強度を示すことがわかった。また、紫外光ポーリングを行う前に真空中で処理することによって2次光非線系性の強度を増大させることが出来た。本研究で得られた最大の2次光非線形性の大きさとして、SHG(第二高調波発生)のd定数が、最大(12.5±0.6)pm/Vの値である。これは常温の基板温度、成膜後500℃で24時間の空熱処理、5x10^5V/cmのポーリング電場、紫外光照射(レーザの波長、出力、繰り替え周波数、全ショット数がそれぞれ193nm,100mJ、10パルス/s、10000)の時に得られた値である。しかしながら発現する2次光非線形性の寿命は、そのままでは約3ヶ月程度で大きさが半減してしまう。寿命の低下を抑えるために色々な元素の添加を行った。その結果、常温で85気圧の水素中で処理することによって飛躍的に寿命を増大させることが可能であることが分かった。現在のところ約7年間までの長寿命化が達成できている。さらなる長寿命化を検討するために、現在紫外光ポーリングによって形成する欠陥を特定し、その欠陥の挙動に対する水素添加の影響を電子スピン共鳴ESRを用いて検討中ある。
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