研究概要 |
本年度の研究によって得られた成果の概要は以下の通りである. 前年度の結果を拡張し,大規模問題への誤差評価法の適用を行った. 1.Niederreiterの原理を利用し,様々な準乱数(各次元sに対して異なる基底の(t, s)-sequence)生成し,それらに2種類の誤差評価方法(スクランブル法とシフト法)を適用し,両者の推定誤差の違い,基底選択の推定誤差の大きさへの影響を調べた. 2.1の結果を,主として金融工学における派生証券の価格付けの計算に応用した場合について学会発表(Third IMACS Seminar on Monte Carlo Methods, Sep.10_14, 2001, Salzburg, Austria)した.また内容を論文にまとめた. 上記の研究の結果,1)かなり大規模な問題(数十〜数百次元)に対しても,2つの誤差評価方法が実用的な時間で利用でき,信頼性もあると考えられる,2)基底の選択については,誤差の大きさに影響を与える,特にスクランブル法は基底の大きい(t, s)-Sequenceについては有効であるが,基底が小さい場合はシフト法も同程度の性能を示すこと,などの知見を得た.
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