研究概要 |
本研究では,在来加工に比較して格段に加工状態の認識が困難な超精密加工を対象として,「機能集積形マイクロセンサを用いたインプロセス加工状態認識方法を確立すること」を目的としている.平成13年度においては,半導体製造用マイクロファブリケーション技術を応用することにより実際に機能集積形マイクロセンサを試作し,その特性について詳細な検討を行った.その結果,以下のような研究成果が得られた. 1.半導体製造用マイクロファブリケーション技術により,複数の測温抵抗体を集積したマイクロセンサを試作するとともに,超精密加工用単結晶ダイヤモンド工具に搭載した.具体的には・スパッタによる薄膜形成,フォトリソグラフィーによるパターン形成,ウエットエッチング,並びにリフトオフ法の適用により,工具すくい面上に直接マイクロセンサを製作した. 2.製作した側温抵抗形マイクロセンサにより,加工点極近傍における単結晶ダイヤモンド工具表面の温度及びその分布を計測可能であることを明らかにした. 3.製作したマイクロセンサ搭載工具を用いて実際に超精密切削加工実験を行った結果,加工によって生じる加工点近傍の熱的挙動を高感度かつ高応答に検出可能であることを明らかにした. 4.測温抵抗体を集積化することにより得られる工具表面の温度分布をモニタリングすることにより,単なる温度計測に比較して格段に応答性の高い加工状態認識が可能であることを明らかにした.
|