研究概要 |
難削材であるチタン合金およびステンレス鋼を対象にして,超精密切削加工の可能性を示した.ダイヤモンドバイトを始め,超硬バイト,サーメットバイト,コーティング超硬バイトなど各種切削工具による実験的な検討を行った.さらに,超精密切削加工における微小な切削抵抗を検出し,加工メカニズムを明らかにするためのセンシング技術を検討した.以下に,平成13年度の研究実積をまとめる. 1)アルミニウムなど軟質材料の超精密切削加工は,一般に灯油とダイヤモンドバイトを用いて行われている.チタンおよびチタン合金に対しても同様に加工したところ,非常に短い切削距離100m足らずの加工後に,ダイヤモンドバイトすくい面には摩耗が観察された.また,得られたチタン合金の最大仕上面粗さRzも100nmを越えていた. 2)α-β型チタン合金およびSUS316の超精密切削加工において,切削油剤をミスト供給しながら,コーディング超硬バイトを使用することによって,Rz=100nm以下の仕上げ面を得ることができた.また,切削距離で2,000m以上の工具寿命まで,最大仕上面粗さRz=200nm以下の仕上面を継続して得られることを確認した. 3)バイトフォルダに圧電素子を埋め込み,切削抵抗が計測できることを実験的に確認した.さらに,各種切削工具によって得られる仕上面粗さと切削抵抗の大きさを比較した. <発表論文> 1)坂本重彦,安井平司,藤森彰:コーティング工具によるステンレス鋼の超精密切削特性,2001年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集,pp.520,2001/9. 2)坂本重彦,安井平司,川田昌樹,近藤純久:ステンレス鋼の超精密切削における切削油剤の供給効果,2001年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集,PP.242,2001/3.
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