研究概要 |
気液二相流(空気-水系)が流れる鉛直円管内部に,くさび形の渦発生器を設置し,各相の様々な質量流量のもと,管壁および渦発生器側壁の3箇所の圧力を圧電素子センサーで測定した.ただし,気相流量j_gおよび液相流量j_lは,0.1≦j_g≦12,0.5≦j_l≦4の範囲であり,気泡流,スラグ流,フロス流などの流動様式を包括している. 2つの圧力の差をウェーブレット解析した.デジタルフィルタにはHaarの4次基底関数を用いた.抽出した3次の8つの波形成分に対し,波形を再構築した.その際,全周波数帯域でのパワースペクトルにおいて,再構築された信号の振幅を求めた. 流量j_gおよびj_lに応じて振幅が大きく異なる結果を得たことから,パワースペクトルは流量に対する特徴ベクトルとして捉えることができた. 階層型ニューラルネットワークを用い,入力層に特徴ベクトルを入力し,出力層から気液各相の流量を出力させた.教師データには上記の特徴変数データベースを利用し,学習にはバックプロパゲーションアルゴリズムを採用した.様々な流量条件において,中間層の層数やユニット教を変えた場合の測定精度を調べ,最も高精度な流量を算出できる最適なニューラルネットワークの構成を探った.その結果,中間層の層数,各層のユニット数が測定精度に及ぼす影響を明らかに出来た.
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