研究課題/領域番号 |
12750167
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田川 俊夫 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (90294983)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 一様静磁場 / 自然対流 / MHD / 液体金属 / 電磁力 / ハルトマン数 / ハルトマン境界層 / 数値解析 |
研究概要 |
半導体製造や鉄鋼の連続鋳造プロセスでは、溶融金属の流れを制御することが品質向上につながり、そのためしばしば外部磁場が印加されている。これは、溶融金属が導電性流体であるため磁場印加により電磁力が発生することを利用したものである。本研究では、ある矩形容器内のMHD自然対流に対してハルトマン境界層モデルを適用するとともに、その理論解析、数値解析を行なった。本研究実績は、European journal Mechanics B/Fluidsに印刷中である。以下はその要約である。 解析モデルは、対向する鉛直面がそれぞれ加熱・冷却され、その他四面は断熱とする。また六面はすべて電気絶縁されているとする。印加される一様水平磁場は、温度勾配に垂直な磁場の場合(垂直ケース)と、温度勾配に平行な磁場の場合(平行ケース)の両方を検討した。このMHD自然対流の最も本質的な部分は、印加磁場に垂直な面でハルトマン境界層が発達し、その境界層が流れ全体を支配することにある。そこで数値解析コードにハルトマン境界層モデルを適用した。まず、ハルトマン境界層モデルの妥当性を調べるために、理論解の存在する一次元完全発達流れにおいて、数値解と理論解を比較した。その結果、垂直ケースの場合はハルトマン境界層モデルの適用なしには十分な精度の数値解析結果が得られないのに対して、平行ケースではハルトマン境界層は発達しないため、境界層モデルを適用せずとも十分な精度の解が得られた。その知見を活かし、次に、この境界層モデルを実際の三次元流れに適用した。実際の三次元流れではプラントル数やグラスホフ数の影響を受け振動解となる場合でさえも、磁場印加により対流は抑制されて、熱伝導状態へと近づくが、平行ケースと垂直ケースとでは、電磁力の効果が大きく異なることがわかった。平行ケースではハルトマン数の2乗で電磁力が作用するのに対し、垂直ケースでは、ハルトマン数の1乗でしか効かない。これは、ハルトマン境界層が発達し、流れ場が二次元化し、電流の大きさが非常に小さくなるからである。
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