研究概要 |
空間的に非均一な乱れの場を反応性自由表面として取り扱うことが出来る層流と乱流の混合気を衝突させた場に形成される予混合火炎を対象に、その火炎挙動の時系列的解析および瞬間二次元速度ベクトルについて検討を加えた。混合気としては、メタン/空気およびプロパン/空気を用いた。 プロパン/空気火炎の場合では、可燃限界濃度以下の超希薄混合気は火炎安定性の向上にほとんど寄与していないと考えられる。このことの原因としては、上下の火炎間距離がメタン/空気火炎と比較して相対的に離れているため火炎の相互作用が効果的に現れなかったことが原因であると考えられる。メタン/空気火炎では、乱流中においても超希薄混合気が、高温の燃焼ガスに衝突する事により発熱反応を起こす可能性があり、火炎安定領域の増加に貢献する条件ある。 上下の乱れの条件が等しい流れを衝突させた場合では、よどみ面はノズル間の中心に存在する。よどみ流線上の速度勾配は,乱れの強さに伴い緩やかになる。上下の乱れの条件が異なる場合では、乱れ強さの大きい側の速度勾配が緩くなり、よどみ面はノズル間の中心より乱流側に移動する。 よどみ点における速度の確率密度分布(PDF)は、乱れの条件が等しい場合では、y軸およびr軸方向それぞれ対称に分布する。層流と乱流を衝突させた場合では、y軸方向は非対称となるが、r軸方向は対称となる。このことは、乱れの影響により、ノズル間中心に向かうに従ってr=0mmの位置からr軸方向の速度が増加し,離散するため,層流側のy軸方向速度が乱流側より大きくなるためである、 層流と乱流を衝突させた場合では、乱れの影響により衝突界面が複雑に湾曲する。衝突界面の凹凸が乱れ強さに伴い大きくなり、よどみ点の分布範囲が拡大する。よどみ点の平均位置は、r軸方向に対してはほぼよどみ流線上に位置しているが、y軸方向に対してはノズル間の中心より乱流側に存在する。
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