研究概要 |
本研究では,軌道上に打ち上げた双腕宇宙ロボットを使用して,地上からの遠隔操作により,トラスの組立て等複雑な作業を行うことのできる双腕宇宙ロボットの遠隔操作技術の開発を目的としている.特に,宇宙ロボットの遠隔操作において,宇宙ロボットの自律化,効果的な遠隔操作環境の構築が必要である. 以下に本年度に行った研究結果を述べる. ・本研究で使用している双腕宇宙ロボットの遠隔操作実験システムでは,マスタアームとして1台の小型高性能6自由度ハプティックインタフェースを採用している.そのため,1台のハプティックインタフェースで双腕のスレーブアームを効果的に遠隔操作する技術を開発する必要がある.ここで,双腕スレーブアームは12自由度を有しているため,6自由度のマスタアームに対して冗長系となっている.そこで,スレーブアームの手先の相対運動に着目し,この相対運動をハプティックインタフェースによりオペレータが遠隔操作する方法を提案した. ・宇宙ロボットを遠隔操作する場合,オペレータはスレーブアームの手先に注目することが多い.このため,オペレータの見ていないスレーブアームのリンク部が作業環境と衝突する可能性がある.そこで,リンク部が作業環境と衝突する情報をスレーブアームの手先に表示するバーチャルレーダーを提案した.オペレータは,バーチャルレーダーを見ることにより,スレーブアームのリンク部の全ての衝突情報を得ることができるので,衝突を回避しながら効果的に遠隔操作ができる.
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