研究概要 |
本研究は、高周波プラズマを用いた微細加工処理装置の開発を目指す第一歩として、容量性結合および誘導性結合高周波放電プラズマ中の荷電粒子密度および電子エネルギー分布の投入電力、ガス圧力依存性を実験的及び理論的に調査した。以下に詳細を記す。 1.容量性結合高周波酸素およびAr/CF_4放電プラズマ中の荷電粒子の空間構造をプローブ法により測定した結果,負イオン密度プロファイルは放物型となる一方,電子密度プロファイルはシース近傍を除いてほぼプラズマ領域全体にわたり一様となった。また、負イオン密度はガス圧力0.05(Torr)-0.5(Torr)の条件下では電子密度に対し約10-20倍ほど高く,負イオンはプラズマ領域全体にわたり存在していた。負イオン密度およびそのプロファイルは,プラズマ中での主要な衝突反応を考慮し荷電粒子に対する拡散方程式を解くことで説明することができた。 2.誘導性結合高周波アルゴン放電プラズマ中の電子エネルギー分布を測定した結果,圧力の増加に伴いBi-Maxwell分布から第一励起エネルギーの位置を境にして2つの温度を用いて近似できる分布へ変化した。一方、電気的負性である酸素放電プラズマでは30m Torr以上では2つの温度で近似できる電子エネルギー分布を形成するが、低圧力条件ではMaxwell分布を形成した。また、中性・荷電粒子のレート方程式,パワーバランス方程式で構成されるグローバルモデル(体積平均モデル)を電気的正性ガス放電および電気的負性ガス放電に対しそれぞれ構築し,実験結果との対比を行った。その結果,低圧力条件下を除きモデルと実験はよい一致を示し,モデルの妥当性を得る事ができた。
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