研究課題/領域番号 |
12750290
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
佐藤 祐一 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (70215862)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | GaN / InGaN / 金属基板 / 大面積基板 / フラットパネルディスプレイ / 蛍光ディスプレイ / ガラス基板 |
研究概要 |
申請者は、提案する新規フラット・パネルディスプレイの実現において最も重要な事項である、大面積化が可能な基板上でのGaN系薄膜の成長に関して検討を行った。ディスクリート紫外線発光ダイオードによる蛍光体の励起特性に関する予備実験を行い、4000cd/m2以上の高輝度な可視発光が得られたことから、紫外線発光ダイオードアレイの発光は単結晶基板上に成長したGaN系単結晶薄膜による高効率発光ダイオードに対し10分の1程度でも十分にデバイス化が可能であると判断した。したがって、GaN系薄膜の成長に用いる基板としては単結晶を用いて高品質の単結晶薄膜を作製しなくとも良いと考え、大面積化、フレキシブル、軽量、安価などの利点を有する多結晶Ti金属箔を選択した。 金属箔の場合、金属板に対してさらに圧延などの工程が加わっており、金属板とは多少異なる結晶状態となっているが、このような金属箔上に直接GaN薄膜を成長した場合には、下地の結晶状態の影響により結晶性の良好なGaN薄膜は得られなかった。これに対し、GaN薄膜を高温で成長した後もアモルファスの状態を保つ中間層を金属箔との間に挿入することで結晶配向性の優れたGaN薄膜を得ることができた。しかし、この中間層材料はSiO2であり、金属箔をGaN薄膜に対して直接電極として使おうとする場合には支障が生じる。これを避けるために、金属箔としてアモルファス金属箔を用いることを試み、GaN薄膜をその上に成長した。その結果、アモルファス中間層を用いた場合と同様なc軸優先配向性を有するGaN薄膜が得られ、下地がアモルファスであることの有効性が確認された。また、作製した各薄膜の電気的光学的特性がデバイス化にとって重要であるが、光学的特性の評価としてフォトルミネセンス測定を行った。GaN薄膜に関しては主として可視光領域のディープレベル発光のみが見られた。一方、GaNに対してInを混合することにより紫外光領域のバンド端発光が見られるようになり、さらに、SiO2中間層を用いてTi箔上に成長したInGaN薄膜からは強いバンド端発光が見られた。電気的特性の評価および制御に関しては今後進めなければならないが、このような多結晶の金属箔上に成長した場合でも、短波長領域の発光が見られるGaN系薄膜を得ることが可能であることを確認できた。
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