研究課題/領域番号 |
12750296
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
赤池 宏之 名古屋大学, 先端技術共同研究センター, 助手 (20273287)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 10K / 窒化ニオブ / ジョセフソン接合 / 臨界電流密度 / 特性電圧 / ばらつき / 集積化技術 |
研究概要 |
今年度は、我々が新たに提案したNbN/Nb/AlOx/Nb/NbN接合について、動作温度10Kを念頭において、その特性評価を行った。作製方法として、高品質なNbN薄膜が再現性良く得られることから、ロードロック式超高真空装置を用いて接合の作製を行った。特性評価事項としては、接合の臨界電流密度jc及び特性電圧VcのAl酸化条件依存性、Nb薄膜膜厚依存性を行った。また、単一磁束量子(SlQ)回路作製上重要となる接合特性のチップ内のばらつきを評価した。 Al酸化条件依存性においては、酸化時間、酸化ガス圧を変化させることにより、10KでJcを1kA/cm^2から10kA/cm^2の範囲の特性を持つ接合を得ることができた。これは、現時点或は将来的に接合特性として要求されるJcの範囲をほぼ満たしており、良好な結果が得られたと思われる。一方、Vcに関しては、4K動作のNb/AlOx/Nb接合におけるオーバーダンプ特性時のVcとほぼ同様な特性が10Kにおいて得られた。ただし、ときどき例外的にVcの高い接合が得られた。このようなVcの高い接合は、同路の高速動作と直接結びつくため、魅力的である。現時点ではこの原因がまだ解明されていないが、これを解明し接合特性を制御できれば、さらに大きな発展に繋がる。この点が、新たな課題となった。 Nb膜厚依存性においては予想通りの結果が得られ、接合の伝導機構において、Nb層の膜厚が重要な役割を果たしていることが確認された。 接合特性のチップ内のばらつきにおいては、温度10K、接合数1000個に対し、標準偏差6.3%となった。一方、100個のものに対して4.2Kで2.8%、10Kで4.4%となった。標準偏差値としては、必ずしも充分小さいものが得られているとはいえない。さらに、温度上昇に伴いばらつきが大きくなる傾向がみられ、この原因の究明とばらつきの更なる改善が必要であることがわかった。
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