研究概要 |
<平成12年度/研究成果> (第一段階)デバイスのマクロ的評師 本研究では製造レベルでのデバイス特性評価を行い,特性の変動項目を初期特性の不均一性と経時変化,また要因を表面とバルクサイトから個々に調べた.デバイスとしてGaAs-MESFET(Metal-Semiconductor Field Effect Transistor),HEMT(High Electron Mobility Transistor)を評価対象とした.バルクや表面の影響により経時変化の生じやすいMESFETと影響が少ないとされるHEMTの(1)活性層シート抵抗,(2)相互コンダクタンス,(3)ドレインコンダクタンス,(4)ゲートリーク電流について調べた.MESFETでは結晶中のバッファ層に超格子を挿入するとバルクサイトからリーク電流抑制効果が高くなること,表面酸化膜やパッシベーションの状態が静特性全般に著しく影響する事が分かった.しかしHEMTではその挙動が明確ではなく,チャネル層の経時変化が動作の安定性に深く影響している可能性が高い. (第二段階)デバイスのミクロ的評価 GaAs活性層のシート抵抗に関する経時変化を調べた.これまでGaAs等の化合物半導体表面にはSiに対するSiO_2のような安定且つ良好な酸化膜が無く,MOSFETがGaAs系材料では実現されていない事は周知の通りである.本研究のこれまでの実験から表面酸化膜の挙動が電気的に活性な状況と不活性な状況の二面性を有することを見いだしている.この一つの要因として酸化膜生成初期における半導体チャネル内空乏層の広がり,そして二つ目には酸化膜/半導体界面の安定化による空乏層厚の抑制で有る可能性を掴んだ.本年度は環境問題にもリンクさせ環境負荷の大きい化合物半導体のバックグラウンドにも配慮したデバイス開発についても検討した.化合物半導体は環境負荷が大きく,単なる性能重視で開発は進められない.これに関して論文を投稿し採択され(J.Crystal Growth),詳細についてはWeb Site(http://www.ubc-k.ac.jp/〜izumi/)で公開している.
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