研究概要 |
本研究の遂行にあたり中国内蒙古赤峰の現地調査(平成12年3月から4月にかけて実施.調査には日本から本研究代表者および(株)田中地質コンサルタント田中保士,中国から中国歴史博物館遥感与航空考古撮影中心主任楊林,内蒙古考古研究所所長塔拉,STG総経理張忠良らが同行した)を実施した.また,平成12年7月に実施した研究打合せではISPRS2000(オランダ)での議論を踏まえ,香港でSTGと今後の計画を練った.以上をもとに,以下の課題についての研究を行った. (1)現地調査結果の報告と遺跡の分光反射特性の基礎的検討(日本文化財探査学会で発表) (2)リモートセンシングによる遺跡の形状検出に関する基礎的検討(土木学会中部支部で発表) (3)リモートセンシングによる発掘孔の早期検出に関する基礎的検討(土木学会中部支部で発表) (4)分光反射特性に基づく衛星データからの城壁検出に関する検討(日本文化財探査学会で発表) (5)遺跡(城壁)の劣化過程と分光反射強度との関係についての検討(日本写真測量学会で発表) (1)では現地調査データの整理を行った.(2)および(3)では,室内試験結果に基づくリモートセンシングによる遺跡調査の可能性を示した.(2),(4)では実際の衛星データ(ADEOS/AVNIR, JERS-1等)を用いて遺跡の形状(遼上京城壁)検出を行い,マセマティカルモルフォロジーに基づく境界検出式の城壁検出に対する有用性を見出した.(5)では室内試験結果により衛星データから遺跡の劣化過程をモニタリングする上での可能性や問題点を示した.
|