研究課題/領域番号 |
12750490
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
伊藤 歩 岩手大学, 工学部, 助手 (90312511)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 下水汚泥焼却灰 / 重金属 / バイオリーチング / 硫黄酸化細菌 |
研究概要 |
本研究では、下水処理場から生じる汚泥焼却灰の安全性を高め、再資源化を促進するために、焼却灰に含まれる重金属類の除去・回収システムの開発を目的とし、栄養塩類を含む下水二次処理水、並びに汚泥消化ガスの脱硫廃棄物を用いた硫黄酸化細菌による焼却灰の生物学的酸性化とそれに伴う重金属類のリーチングについて実験的に検討を行った。以下に本研究から得られた結果を示す。 (1)元素硫黄を基質とし、蒸留水、硫黄酸化細菌の合成培地及び下水処理水のそれぞれを溶媒として下水汚泥から分離した硫黄酸化細菌を用いた焼却灰の生物学的酸性化を回分実験により検討した結果、下水処理水は硫黄酸化細菌の栄養塩源として利用でき、元素硫黄濃度が10g/l、焼却灰の濃度が20g/lの場合、下水汚泥から分離した硫黄酸化細菌の利用により焼却灰のpHを6前後から1以下に低下できることが分かった。 (2)硫黄酸化細菌の基質としての脱硫廃棄物の利用可能性を検討した。その結果、乾式及び湿式の脱硫廃棄物は、硫黄酸化細菌の基質として利用できることが分かった。特に、湿式の脱硫廃棄物を用いた場合では、焼却灰濃度が20g/l、廃棄物濃度が10g/lの時、硫黄酸化細菌の利用により焼却灰のpHが1.5まで低下し、市販の硫酸を用いた場合と同程度の重金属溶出率が得られた。 (3)湿式脱硫廃棄物と下水二次処理水を用いた下水汚泥焼却灰からの重金属の溶出に及ぼす灰滞留時間の影響について滞留時間を4、10、20及び30日にそれぞれ設定して半連続実験を行った。その結果、各滞留時問でのpHは、4日で2前後、10日以上で1程度に維持することができた。焼却灰からの重金属の溶出は、10日の滞留時間で十分であることが分かった。 以上の結果より、下水処理場から入手可能な硫黄酸化細菌、下水二次処理水及び脱硫廃棄物を組み合わせて利用することにより、下水汚泥焼却灰から重金属類を効率的かつ経済的に除去できる可能性が示された。
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