研究課題/領域番号 |
12750556
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
上田 博之 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 講師 (70291599)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 空間分節 / 空間序列概念 / 空間領域概念 / 空間構造 / 伝統的住居 / 日本 |
研究概要 |
本研究では、日本の伝統的住居を調査し、以下のような空間構造を明らかにした。 アイヌの住居(チセ)の空間構造の特徴として、いろりを囲んで3つの座として、空間が分節されている。着座には神を基準とした、上位・下位があり、この神の出入り口をカミテ、入口側をシモテとするカミ-シモの空間軸、シソ、ハリキソの着座の上/下を爪すヒダリ-ミギの空間軸が存在する。住居はこれらの空間軸に基づき、構成されており、空間序列が生活を規定している。 沖縄の伝統的住居は、東西方向に並ぶ-列型であるが、前列は東側からカミ・ジャー(上座/一番座とも呼ばれる)、シム・ジャー(下座/一番座とも呼ばれる、先祖がまつられる)、トゥン・グワ(飛び出した小室の意/台所である、最近まで土間であった)の順に並ぶ。後列はウチ・バラ(下の庫の意)と呼ばれる狭い室である。この住居にはカミ・ジャー-トゥン・グワ方向にカミ-シモの空間軸が存在し、後列-前列方向にオク-マエの空間軸が存在する。これらの空間軸に従い、各室での生活行為、着座位置などが決定される。 四間取住居・妻入住居では、続き間の連続する室と非連続な室を明らかにすることで、同じ間仕切り(襖や板戸)でも、その空間分割の強度がかわることを明らかにした。その背景には、カミ-シモの空間序列、オク-マエの空間序列が強く作用し、それらの空間序列と神・仏といった宗教観、世界観が大きく作用していることを明らかにした。 このように、日本の伝統的住居は、神・仏などの宗教観、世界観に基づいた住居空間各部の序列が存在し、それらの序列に基づいた空間軸に従い、各室での生活行為、着座位置などが決定される、ことが明らかとなった。
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