研究課題/領域番号 |
12750611
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
辻内 裕 秋田大学, 工学資源学部, 講師 (70250868)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アモルファスシリコン / 水素化 / バクテリオロドプシン / 膜 / 薄膜 / 接合 / ECRプラズマスパッタ法 |
研究概要 |
無機材料と有機材料の融合化の試みのひとつとして、水素化アモルファスシリコン薄膜と膜蛋白質バクテリオロドプシンを接合してその膜構造の物性を評価することを目的に研究を行なった。第一段階として有機材料の機能を十分に維持できる膜作製条件として、有機材料分子の大きさより小さい凹凸の無機材料薄膜を作製することを設定し、その目的に適う薄膜作製条件の検討を行ない、ECR(電子サイクロトロン共鳴)プラズマスパッタ装置を使った薄膜作製により実現した。49%の水素-アルゴン混合ガスをアルゴンガスで希釈し、シリコン結晶をターゲットとして、0%〜49%の水素化アモルファスシリコンの薄膜を作製した。物性測定ではまず、X線回折実験により微量ではあるが一部結晶化してはいるものの主としてアモルファス状態になっていることが確認できた。次に赤外吸収測定の結果では、水素化したシリコン特有のシグナルが検出されたことからアモルファスシリコンに水素が含有していることが確認できた。よってこれにより従来主流的作製方法であったCVD(化学気相析出)法に伴なうシランガス使用による大きな危険を伴なわない安全な水素化アモルファスシリコン薄膜の作製が可能になった。また得られた薄膜はAFM(原子間力顕微鏡)による測定により0.8ナノメートル程度の凹凸の極めて平坦なものであったことから、有機分子の二次元的な接合と無機材料との二次元化された融合化システムの実現に最適な作製条件が得られたといえる。一方で別途生化学的に調製した膜蛋白を含む溶液を0%〜49%濃度の水素を含有するアモルファスシリコン薄膜に接合させる実験を行ない赤外及び可視紫外線光吸収を測定したところ、水素含有の有無による大きな相違があることが分かった。ただし、単分子膜による接合システムの作製にはまだ至っておらず、実験途上であり、接合によりどのような新機能が生じるかについては今後の課題である。得られた成果は、有機材料としての蛋白分子の構造と機能の基礎的実験として行なったバクテリオロドプシン蛋白のリフォールディング過程に及ぼす有機溶媒のアルコールの効果についてIUPAP主催の第3回国際生物物理学会において報告し、水素化アモルファスシリコンとバクテリオロドプシンの接合の試みに関しては第38回日本生物物理学会において報告した。
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