ポリウレタンフォーム、フェノール系フォームを円柱状に成形したもの、及びコルゲート成形紙を巻き上げ加工したものを、アルゴンガス中、1000℃で4時間、熱処理し、多孔質炭素化物プリフォームを作製した。これらプリフォームに、化学気相含浸法(CVI)法を用いて炭化ケイ素を部分充填することにより、炭化ケイ素基多孔質体を合成し、耐熱セラミックスフィルターとして適用可能か明らかにすることを目的に検討を行った。本年度は、コルゲート成形紙から得たプリフォームからのハニカム型炭化ケイ素基多孔体の作製とフィルター特性の評価を行い、以下の成果を得た。 ハニカム構造体の壁厚とセルピッチを変化させたコルゲート型炭素化紙にSiCl4(4%)-CH4(4%)-H2ガス系からSiCを充填することで種々幾何形状のSiC基ハニカム成形体を作製した。特に、押し出し後焼結する方法では困難な50μm以下の壁厚のハニカムを作製可能であることを見いだした。 壁厚(t)とセルピッチ(d)を減少することで、圧力損失(ΔP)を増加させることなく幾何学的表面積(S)を増加させることが、あるいは、Sを減少させずにΔPを減らすことができることを確認した。ハニカム構造体のΔPを、Sと、t及びdから計算される開口率αに関係づけて考察し、ΔP∝S^2α^3の関係を導き、実験によって確証した。 ハニカム構造体の軸方向の圧縮強度は1αに比例的に増加した。強度とΔP、Sをdとtに定量的に関係づけし、構造パラメータdとtから、ハニカム構造体の特性(強度、ΔP、S)を予測可能とした。
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