研究課題/領域番号 |
12750639
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
辻 伸泰 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30263213)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | マルテンサイト / 超微細結晶粒 / 動的再結晶 / 局所方位測定 / 機械的性質 / 回復 / 粘成長 / 塑性不安定 / 微細二相組織 / 炭化物 / 粒成長 |
研究概要 |
低炭素鋼S12C(Fe-0. 12wt%C)のマルテンサイト組織を有する円柱試験片の、A_1以下での高温圧縮・急冷試験を行った。低温で圧縮を行った場合は加工硬化が生じるが、高温・低ひずみ速度ではフェライト鋼の動的再結晶発現時に見られるのと同様の穏やかな応力低下が観察された。組織観察の結果、粒径数mmの微細結晶粒組織が形成されており、SEM/EBSP測定によってこれらが大きな方位差を持つ多結晶体であることが明らかとなった。微細粒組織の発現は、Zener-Hollomon因子が10^13 s^<-1>の場合に起こり、また微細粒の粒径もZの関数として整理された。すなわち、マルテンサイトを出発組織として動的再結晶が生じることが明らかとなった。フェライト組織を出発組織とした場合には微細動的再結晶組織は生じなかったことから、出発組織をマルチンサイ組織とすることが結晶粒微細化にとって有効であることが示唆された。これを応用して、普通低炭素鋼SS400に対して室温で50%の冷間圧延を行い、温間域で焼鈍することにより、ナノ炭化物が均一に分散した、平均粒径180nmの超微細フェライト粒を基地組織とする、超微細結晶二相組織が得られた。得られた超微細結晶二相組織は、引張強さ870MPa、均一伸び9%という極めて優れた機械的性質を示した。
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