研究課題/領域番号 |
12750689
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
呉 鵬 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (60322096)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | Ti-MWW / MCM-22 / MWW型チタノシリケート / 液相エポキシ化 / 過酸化水素 / 形状選択性 / MWW型ゼオライト / 液相酸化 / 水熱合成 / 結晶化安定剤 / post-synthesis |
研究概要 |
本年度はホウ酸を結晶化助剤に用いてMWW型チタノシリケート(Ti-MWW)の結晶化条件の確立、酸処理による不純物Ti種と骨格ホウ素の除去、Ti種存在状態の解析、及び触媒としてTi-MWWの特異性について検討を行った。具体的には、環状アミンを結晶化剤に用い、大量のホウ酸(Si/B原子比0.75)が存在する条件下でSi/Ti原子比10-∞の範囲において結晶性の高いTi含有MWW層状前駆体を合成することができた。この前駆体には四配位と六配位のTi種が共存しているが、後者は酸処理で骨格ホウ素と共に選択的に除去できることがわかった。引き続いて残存アミンを焼却し、3次元MWW結晶構造を持つTi-MWWを入手できた。このように得られたTi-MWWのTi種は殆ど四配位のみであることが紫外分光法と赤外分光法によって確認された。 アルケンの過酸化水素による液相エポキシ化において通常のTS-1とTi-Betaと比較したところ、Ti-MWWは、鎖状アルケンに対して最も高い触媒活性を示したと同時に、環状アルケンに対しても有効な触媒であることがわかった。これは、Ti-MWWがサイトポッケトとスーパーケージのような広い反応場、或は比較的に狭いジグザグな酸素10員環細孔を反応基質の大きさに応じてそれぞれ提供するからと結論付けた。さらに、構造異性体アルケン(cisとtrans体)のエポキシ化においてTi-MWWがより選択的にtrans体の酸化を促進し、通常チタノシリケートと全く異なる形状選択性を示すことを見い出した。このようなTi-MWWの高いtrans選択性が主にジグザグな酸素10員環細孔の中で発生することと、transアルケン分子がその10員環細孔の形状との立体的なフィットネスが非常に高いことが明かとなった。
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