研究課題/領域番号 |
12750696
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物・生体工学
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
阪口 利文 近畿大学, 九州工学部, 講師 (10272999)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 磁気超微粒子 / 硫酸還元菌 / 生体磁性結晶 / 磁性細菌 / トランスポゾン変異 / 生体結晶 / 遺伝子導入 / トランスポゾン |
研究概要 |
硫酸還元磁性細菌RS-1における属種同定をおこなったところ、16SrDNAの遺伝子配列、生化学的諸性質からDesulfovibrio に属する新種の微生物であることが明らかとなり、Desulfovibrio magneticus (type strain : RS-1,ATCC 700980(T)=DSM 13731(T))と命名された。この研究成果はInternational Journal of Systematic and Evolutionaly Bacteriology誌に掲載された。この結果から、実験対象となる菌体の新種細菌として新規性が公に認められることとなり、Magnetospirillum sp.以外ではじめて磁性細菌の新種株を菌株保存機関に登録するに至っている。 次に、IncQ系プラスミドを中心に接合伝達能を有するプラスミドを用いたRS-1への異種遺伝子導入試験では、pJRD215、またはpKT230を使用した場合、メイティング比1:10(対ドナー大腸菌あたり)において、10^<-6>オーダーの形質転換効率となり、これまでのところ、これ以上の形質転換効率の上昇は望めなかった。しかしながら、新種磁性細菌Desulfovibrio magneticus に対して、接合伝達によって異種遺伝子を導入できることが判明した他、同様の方法でトランスポゾン変異株を創製できうることも明らかとなった。加えて、高分解透過型電子顕微鏡観察によるDesulfovibrio magneticus(RS-1株)の合成した磁気微粒子の観察の結果、明瞭な結晶系を有さない磁気微粒子であり、既存磁性細菌には見あたらない特徴であることが観察された(Proceedings of the 8th international conference on ferrites(ICF8)誌に発表)。 他方、磁性細菌Magnetospirillum sp. AMB-1株へのトランスポゾンの導入による変異株の作成では、磁場に全く応答しない表現型から、磁性細菌粒子の合成能を欠損した変異株を多数獲得できた。しかしながら、これまでのところ、磁性結晶の結晶型に影響がみられたと考えられる変異株は得られていないが、磁気微粒子の結晶形成に関わると思われる磁性細菌膜中に存在する新規膜タンパク質の解析を進行中であり、これらの変異株、及び磁性細菌膜タンパク質の遺伝子を用いて、今後も同分野の研究を進展させる予定である。
|