研究課題/領域番号 |
12750713
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片山 建二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (00313007)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 過渡反射格子法 / シリコン / 表面増強ラマン効果 / 金 / 固体表面 / 固液界面 / 超高速 / フェムト秒 / スペクトル |
研究概要 |
固体の表面・界面における電子やホールの挙動は半導体デバイス、触媒反応、電気化学反応においてきわめて重要なプロセスであるが、それらの挙動はフェムトやピコ秒といった非常に速い相互作用であることが多い。そのため、高時間分解能でダイナミクスを計測する手法が求められてきた。過渡反射格子(TRG)法はin-situ、フェムト秒時間分解能でキャリヤダイナミクスを計測できるという特徴をもつ超高速光熱変換分光法の一つである。この方法により、光励起キャリヤの挙動を観測し、固体表面・固液界面におけるさまざまなキャリヤの相互作用が明らかにされてきた。しかし、従来のTRG法は単一波長で過渡応答を測定するために、いくつかの過程が同時におこる場合にはそれらを区別することが難しかった。そこで、本研究では観測光に白色フェムト秒パルス光を用いることで、従来得ることが難しかったさまざまなダイナミクスを観測することに成功した。シリコン表面では、光照射後の数ピコ秒時間領域での温度の増加は、光強度に対して非線形に増加することを見いだした。これは、熱の発生する過程においてキャリヤ間の多体再結合が熱の発生を支配していることを示している。また、シリコンにおいてはイオン注入などによって生成した欠陥準位にキャリヤがトラップされる様子、また再結合していく様子を直接とらえることにも成功した。さらに、金属-吸着種間の電子的相互作用が本質的に重要な表面増強ラマン(SERS)効果に着目し、SERS効果を誘起する際のフェムト秒から数10ピコ秒時間領域での電子的相互作用を明らかにした。SERSの素過程を観測したことは世界的にもはじめてであり、また、その増強機構に関しても重要な知見を得ており、今後ますます発展していく研究となることが期待される。
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